2016年7月30日土曜日

頑張れ! ドゥテルテ大統領

ドゥテルテ大統領とは、フィリピンの大統領のことです。フィリピンのダーティハリーとして名をあげ、先日選挙に勝ち大統領に就任した方ですが、美人ジャーナリストの大高未貴氏がフィリピンに出向き面白い取材をしておりました。

まず、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の出身地であるダバオ(ミンダナオ島の街)で取材したそうです。以前にダバオを取材しようとしたところ、「やめろ、あそこはフィリピンで一番治安の悪いところでイスラム系が多く、行けば首を切られるぞ」と止められたといいます。

しかし今回はそのようなことはなく、ダバオの治安は相当良くなっていたそうです。
それはドゥテルテ氏が市長だった時代にものすごい強権で麻薬密売人たちを排除したからだそうです。取引き現場に駆けつけ容赦なく売人たちを殺し、逮捕し、麻薬を撲滅していったことが治安回復に役立ち、今はフィリピンでも安全を誇れる街のひとつになったのだとか。(だからフィリピンのダーティハリーというわけで・・ちょっと誇張されすぎているようですが)

ところがドゥテルテ大統領に華僑の親戚が居るとの噂があり、彼は中共に甘い政策を取るのではないかという憶測が飛びかっています。
南シナ海問題でも腰の引けた態度をとっているとか、そのような噂が出始めました。

そのドゥテルテ大統領の生家に大高氏が訪れ、彼の出生について「本当に華僑の血が混ざっているのか」を取材して回ったそうです。
そうしましたら、親戚筋の2名の方に取材が出来て、彼らから「ドゥテルテには華僑の血は一滴も入っていないよ」という答えが得られたということです。

ではなぜ選挙中に「中華系の血が混ざっている」と報道されたのか、そのもとを辿って行くと、その情報の元は、なんとドゥテルテ大統領その人だと言うことが判ったのです。

なぜ、大統領がこのような「嘘」を広めたのか、その理由がダバオの治安回復と関係があったようです。つまり、殺害したり逮捕したりした麻薬密売人には華僑系の人が多く、当然恨みを買っていたわけで、そこで大統領になった後「自分には華僑系の血が流れている」と嘘で安全を確保しようとしたようです。中共が喜ぶように仕向けてね。
「嘘」で固まった中共を「嘘」で騙すドゥテルテ大統領も、なかなかしたたかですね。

アキノ元大統領が起こした南シナ海問題の仲裁裁判所への訴訟は、フィリピンの完璧な全面勝訴で終わりました。
中共はこの判決を「紙屑」と称して、直ちに中共・フィリピンの2国間交渉をフィリピンに対し要求したのです。
ドゥテルテ大統領は、「この判決を重視する。これは交渉の余地などないことだ。」と述べました。筋が通っておりますね。
有罪になった犯罪者が、その判決を紙屑として被害者と単独交渉するなどは、華人でなければ思いつかない漫画です。

こうして四面楚歌ともいえる状況の中で、ラオスで開催されたASEAN会議では中共の巻き返しが成功し、南シナ海問題を共同声明に盛り込むことが出来ませんでした。
これによってASEAN加盟国間には大きなしこりが残っってしまったのです。カンボジアやラオスと言った親中派の国と、フィリピンやベトナムと言った対中強硬派の対立です。

東南アジア研究所(シンガポール)のタン・シュー・ムン上級研究員は、加盟国が一カ国でも拒否すれば意思決定できないASEANの問題点を指摘しました。ASEAN憲章の初改正を示唆し、「離脱や排除条項の整備も検討すべき時期だ」とタン・シュー・ムン上級研究員は述べたそうです。

こうしてフィリピンを対中強硬派に留めたドゥテルテ大統領です。このASEANの分裂回避は、安倍政権の仕事のではないだろうかと感じました。
カンボジアやラオスと言った貧国を、今後どのようにODAとかADBで救っていくか、そういう問題に還元されるのではないでしょうか。

現在のフィリピンと中共では軍事的にフィリピン側が劣性であることは誰でも解ります。ですからドゥテルテ大統領は施政方針演説の中で、仲裁裁判所が示した判断について「われわれは強く支持し尊重する」と述べましたが、その時間は約1時間半の演説中のわずか30秒だったそうです。

大高氏の取材では、このドゥテルテ大統領は「隠れ親日派」だと言うことです。ダバオは戦前にリトル東京があったというので、そこをもう一度復活させて日本人観光客に来てもらい、日本との友好を深めたいと言う希望を持っているそうです。

また、ダバオのリトル東京には日本人戦没者の慰霊碑も作られているそうです。それは2013年、ドゥテルテ市長の時代にフィリピン日系人会に彼が財政援助して再建したものだと言うことです。

華僑に牛耳られているフィリピンの経済。その中でドゥテルテ大統領は様々な策略を使って戦っている、そんな感じのする大高未貴氏のレポートでした。
日本は何も手伝わなくていいのでしょうか・・・

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